現場取材「型枠解体後の様子」
取材現場【No.01八王子市 共同住宅新築工事】
鉄筋コンクリート造(RC造)
現場取材:6回目
前回の取材記事はこちらになります↓
https://www.sanyu-kensetsu.co.jp/2024/06/14/syuzai-5/
こちらの現場は、地上10階建ての共同住宅の工事現場。
躯体工事が進み、半分程度の高さまで建物が伸びてきました。
上階では、まだ躯体工事を行っていますが、下の方の階は
コンクリートが適正な強度に達したため、型枠を撤去してスッキリした空間に。
型枠の撤去後は、かなり部屋らしくなり、間取りがイメージしやすくなりましたね。
この階では、左官屋さんが壁の表面を平滑に仕上げるため
コテを使って、セメント系下地調整材をコンクリートに塗り付けていました。
塗り厚1~3㎜と、繊細な作業です。
私の目からは、コンクリートの表面に問題があるようには見えなかったのですが
光の照らす向きによっては、少しの凹凸でも、影が強調されて見えることもあり
美観に影響することから、欠かせない作業とのことです。
その後、部屋の内部を見学していたところ
ベランダに接する壁に、4つの不思議な穴を発見↓
よく観察すると他の部屋にも同様に、ベランダ側の壁に4つの穴が。
半分ふさがった穴もあったので、観察してみました。
穴の中には、穴を形作るために筒状の材料がはめ込んでありました。
筒は段ボールのような素材でできており”ボイド管”という名前らしいです。
表面にコンクリートが薄く付いているので
この穴が、コンクリートを流し込む前に、準備されたものだとわかります。
何のための穴かと聞いたところ
自然給気と排気用の穴。また、エアコンなどの配管やケーブルを通す穴とのことでした。
出来上がった壁に、後から穴を空けることも可能ではありますが
後からでは、穴周りの補強ができないなど、建物の強度に悪影響を与えてしまうため
”ボイド管”などを使い、あらかじめケーブル類の通り道を作ることが一般的だそうです。
触らせてもらうと、薄いコンクリートがパリパリとめくれました。
テープやボイド管などを除去すれば、さっきの綺麗な丸い穴が完成するんですね。
そして、もう1つ気になったのは構造上必要とは思えない、この四角い開口部。
見上げると、小柄な人が通れそうなほどの開口部が、コンクリート床(スラブ)に空けてあります。
安全のために、木の板で塞いでありました。
この開口部は、型枠を解体した際に出た、支柱や材料を上の階に上げるための穴らしいです。
ということは、この階にあった型枠の材料は
この四角い開口部を通って、上の階で再利用されたということ。
工事の工程上、必要な開口だったということですね。
今回見つけたどの穴も、建物が出来上がってしまえば、そのほとんどが見えなくなりますが
見えない部分にも、色々な工夫が施されていることを知りました。
次回は、内装工事の様子をお届けする予定です。
建物がどんな雰囲気に変わっていくのか楽しみですね。
2024年7月19日