• 昭和32年、私の父が創業した三友建設。
    当時幼稚園児だった私を八王子市子安町にある取引先工場屋上のプレハブ事務所に連れて行ってくれたことは今でも覚えています。
    バイクにリヤカーをくくりつけて現場に連れて行ってくれたこともありました。
    当時、八王子市の建設業界の中でも後発であった私たち。
    地域密着で、織物関係・商店・医療関係・マンションといったその時代時代、八王子市の中心だったお客様に恵まれ、地元に根付いたお仕事をさせて頂いてまいりました。

    私自身、大学まで建築関係の勉強をし、卒業後は別の会社へ修行のため一度就職。
    改修工事の現場作業員として働いた経験もあります。設計事務所で働きながら一級建築士の資格も取得しました。
    32歳の時に三友建設社員として働き始め、40歳の時に役員になりました。
    楽しいことばかりではなく、時に辛い時代もありましたが、
    それでも一度も建築業界を辞めようと思わなかったのは、初めての就職先を退職する私に「建築の道を外れるな」という先輩の言葉がずっと心にあったからだと思います。

    44歳の時に社長へ就任。代表となって、あらためて三友建設のパートナー企業との信頼関係の強さを感じました。
    現在も9割の下請け先が30年以上のお付き合いとなり、お互いが無くてはならない存在となっています。中には50年以上、創業当初からのお付き合いという方もいます。
    下請けというより「パートナー」と言えるこの関係性は、大手企業にない当社の一番の強みであり、今日の三友建設が生き残れている最大の要因でもあると感じています。

    私が50歳の時に起こったのが、忘れもしないリーマンショックです。当社も大きな打撃を受けました。
    数十億の建設予算が半分以下になり、全体の仕事量も激減しました。想定もしていなかったことです。
    このままでは経営が難しく、自分たちで仕事を作る他、方法がありませんでした。新たに、当社の資材置き場だった場所に賃貸マンションを建設し、新たに賃貸事業へ乗り出したのもこの時です。

    世の中の状況に合わせて、変えていくもの、守り続けるもの。2つがあります。
    当社で言えば、守り続けるものは「パートナーとの信頼関係」。そして、八王子市を中心とした地域密着のお付き合いは変えることのないもの。
    変えるものは時代の変化に、まだ建設業界が対応し切れていないもの。
    現在、建設業界もIT化が進んでいます。当社では、新たな分野を担当する三友ATN株式会社を立ち上げ、建築のIT化に取り組み、将来の事業の種を育てています。
    これからのキーは「人材育成」「IT化」「様々な働き方」だと考えています。
    創業60年を迎え、さらに10年、20年、その先の大きな目標を掲げ、パートナーとともに協力しながら地元八王子を大切にし、新たなことにチャレンジしていきます。