子安町 高力ボルト接合の様子
取材現場【No.03八王子市 商業施設】
鉄骨造(S造)
現場取材:4回目
前回の記事はこちら
https://www.sanyu-kensetsu.co.jp/2025/10/31/koyasutyou-3/
今回は鉄骨の”高力ボルト接合”についての記事です。
高力ボルト接合は、”建て方”を行った後に、歪みや傾きを確認し
仮ボルトで固定していた鉄骨同士を、高力ボルトで固定し直す作業です。
ボルトを付け替えるなんで、二度手間じゃない?とも思いますが
最初から高力ボルトでガッチリと固定してしまうと
組み立て時の衝撃などで、後から歪みが発生し、微調整が利かなくなってしまうらしいです。

そして、鉄骨の傾きの調整に使われるのが、この太いワイヤーです。
レバーブロックを使い、柱の角度を調整します。
レバーブロックとは、オレンジの金具です。
このハンドルを上げ下げすることで、ワイヤーの張り具合を変えることができます。
このように、柱を調節する作業は”建て入れ直し”と呼ばれ、建て方と同時進行で行われます。
垂直が取れたあとは、仮ボルトから高力ボルトへの入れ替え作業に入ります。

こちらが、高力ボルトを締める様子です。
1次締めを行った後に、ペンでマーキングを行っています。
本締めの際に、ボルトがナットと一緒に回ってしまうことを目視で防止するためです。
高力ボルトは普通ボルトと違い、構造体など重要な部分に使われるボルトです。
共周りや締め忘れが起こらないように、慎重に作業を行う必要があります。
そして、こちらが本締め後のボルトです。
先ほどの写真と違い、締まったボルト部分のマーキングがずれ
さらに、ネジの頭が短くなっていることがわかります。

これは、所定の締め付け力がかかると、ボルトの頭部分が破断して
取れる仕組みになっているからです。
これなら、作業の完了がわかりやすいですね。
今回の取材では、ボルト1つ1つにチェックを入れながら細やかな作業をしていることに驚きました。
人間の手仕事だからこそ、起こる可能性があるミス
その芽を摘むために、このような作業が行われているんですね。
その部分においては、現場仕事も事務仕事も
変わらない工程を踏むのだと、しみじみと感じました。
2025年11月14日