子安町 鉄骨の建て方工事

取材現場【No.03八王子市 商業施設】
鉄骨造(S造)
現場取材:3回目
前回の記事はこちら
https://www.sanyu-kensetsu.co.jp/2025/09/19/koyasutyou-2/

今回は鉄骨の”建て方(たてかた)”の取材です。
”建て方”とは、建物の骨組みを組み立てる工程のことをいいます。

前回、配筋工事が行われていた現場では、コンクリートが打設され、基礎と1階の床が完成。
建て方で使用するクレーンの乗り入れに備え、辺り一面に鉄板が敷き詰められていました。
この鉄板は、クレーンの加重を分散させることで、基礎や地面の保護し
同時に、クレーンの安定性を高めるために敷かれています。

そして、建て方の作業に当たるのは、主に3種類の職人さんです。
①クレーンを操作する運転手
②クレーン横で、釣り上げる鉄骨の準備をする玉掛(たまかけ)作業員
③クレーンで運ばれた鉄骨を、高所で組み立てる鉄骨鳶(てっこつとび)。

Bluetoothを使って指示や合図を出し合い、スムーズに作業を進めていました。

高所で作業する鉄骨鳶の落下防止対策としては
安全帯の着用や落下防止ネットが使用されています。

鉄骨には予め、親綱とよばれる黄色いロープが張られており
作業する際は、安全帯のフックをかけ、親綱と自分の体繋げます。

移動時には、違う親綱に架け替えるなど
常にどこかのロープと自分が繋がっている状態を維持し、落下事故に備えているそうです。

また、建て方に使われている鉄骨ですが、接合部が茶色く錆びているのが見えます。
これは、鉄骨を組む際に、より接合部が強固になるよう
わざと表面に錆びを発生させているそうです。確かに、摩擦力が上がりそうですね。

そして、ワイヤーを使ってクレーンで鉄骨を吊る作業を玉掛作業といいます。
重量物を扱い、危険の伴う作業でもあるので
取り扱う物の重量によって、専門の教育や講習を受けて資格を取得する必要があります。

玉掛を待つ鉄骨の上に並べられているボルトは”仮ボルト”と呼ばれるものです。
名前の通り、鉄骨の仮組みに使われます。

クレーンで吊られた鉄骨は、まず、この仮ボルトで指定の場所に仮組みされます。
その後、歪みや傾きを修正するため”建て入れ”という検査が実施され
形を精度よく整えたうえで、仮ボルトから高力ボルトによる本締めが行われるそうです。

梁の1つ1つは、1本600㎏を超えるような重い鉄骨ですが
次々とクレーンで釣り上げられ、あっという間に組みあがっていきました。

そしてこの日、現場で取材の対応を行ってくれたのは若手のK君。
私の「これ、何ですか?」「あれ、何ですか?」という、怒涛の質問攻めに
頭を悩ませながらも、真摯に対応してくれました。ありがとうございます。

2025年10月31日